煮込み料理を作ろうとして、材料欄の「ローリエ」が手元になくて迷うことはありませんか。別のハーブを足すか、そのまま進めるかは、料理にどんな香りを付けたいかで選べます。
ポイント:ローリエの代わりには、タイム、ローズマリー、セロリの葉やパセリの茎が候補になります。ただし、どれも同じ香りになる代用品ではありません。香りを変えたくない場合は、無理に置き換えず省いて仕上げる方法もあります。
まずはスパイスの棚に「ローレル」「月桂樹の葉」と書かれた品がないか確認してみましょう。同じ食材が別の名前で見つかることもあります。この記事では、家庭の煮込み料理で香りを補う場合を中心に、選び方と調整の順番を整理します。
ローリエがないときは、香りを変えるか省くかで選ぶ
ローリエが担うのは、主に料理の香りづけや食材の臭みを和らげる役割です。カネカサンスパイスのローレルの解説でも、ローリエ、ベイリーブス、月桂樹の葉という呼び名と、肉・魚料理やスープ、シチューでの利用が紹介されています。
そのため、別のハーブで補えるのは「香りを添える働き」です。ローリエらしい風味まで再現できるとは考えず、今日は別の香りにしてよいかを先に決めると選びやすくなります。
| 作りたい方向 | 候補 | 選ぶときの条件 |
|---|---|---|
| トマト煮込みや肉・魚にハーブの香りを添えたい | タイム | 清々しい香りやほろ苦さを加えてよい場合 |
| 肉やじゃがいもに、はっきりした香りを付けたい | ローズマリー | 強い香りが料理や食べる人の好みに合う場合 |
| スープに野菜や香草の風味を加えたい | セロリの葉・パセリの茎 | その素材の香りに仕上がりを寄せてよい場合 |
| 元の味付けを大きく変えたくない | 省いて仕上げる | ローリエの香り自体を主役にしない料理の場合 |
表は同じ分量で置き換えるためのものではありません。手元にある候補のうち、作りたい料理に合うものを選ぶための目安です。
料理に合わせて選ぶローリエの代用品
候補を決めるときは、ハーブの名前よりも「鍋の中の食材」と「残したい味」に目を向けてみましょう。ここでは香りの特徴と、料理へ当てはめるときの考え方を分けて紹介します。
タイムはトマト煮込みや肉・魚の香りづけに
トマトを使った煮込みや、肉・魚にハーブの香りを添えたいなら、タイムが候補になります。エスビー食品のタイムの紹介では、清々しい香りとほろ苦さがあり、肉や魚の煮込みなどに利用され、トマトとも相性がよいと説明されています。
例えばトマトソースで肉を煮る料理なら、「ローリエの風味を再現する」のではなく、「タイムの香りがあるトマト煮込みとして仕上げる」と考えます。味の方向を選んでから使えば、元のレシピとの差も受け入れやすくなります。
一方、香草の風味を目立たせたくないスープや、タイムのほろ苦さが好みに合わない場合は、無理に加えなくても大丈夫です。食べる人がその香りを好きか分からないときは、鍋全体に入れる前に、取り分けた加熱用の小鍋で少量を試す方法もあります。
乾燥品か生のハーブかでも見た目や扱い方は違います。ローリエの葉の枚数をそのままタイムの量へ置き換えず、手元の商品の使い方を確認し、料理の香りとの釣り合いを見て選びましょう。
ローズマリーは肉料理の風味を変えたいときに
肉を使う煮込みで、いつもとは違うハーブの風味を楽しみたいときは、ローズマリーを検討できます。エスビー食品のローズマリーの紹介では、清々しい強い香りを持ち、ラムや豚肉、青魚の臭み消し、鶏肉やじゃがいもの香りづけなどに用いられるとされています。
この用途から、肉とじゃがいもの煮込みなど、ローズマリーの香りを料理の一部にしてよい場面で候補にすると分かりやすいでしょう。「何にでも合うローリエの代役」として入れるより、肉料理の味の方向を選び直す使い方です。
香りが強いことを踏まえ、すでに別のハーブやスパイスが入っている場合は、追加する前に鍋の香りを確認します。濃い味付けだから多く加えてよい、とは考えないようにしましょう。ローリエの控えめな存在感を求めているなら、別の候補や省略の方が目的に合うこともあります。
特に、食べ慣れたシチューに新しい香りを付けるのが不安なときは、今回は入れず、次にローズマリーを使うレシピで試す選択もできます。手元にあるという理由で使い切ろうとせず、食べたい香りに合うかを優先してみてください。
セロリの葉・パセリの茎は野菜の香りを足す選択肢
セロリの葉やパセリの茎があるなら、スープや煮込みに香草の風味を加える材料として考えられます。エスビー食品のローレルの使い方では、パセリ、セロリ、タイム、ローレルなどを束ねたブーケガルニが紹介されています。
ブーケガルニは香草を組み合わせたものです。手元のセロリの葉やパセリの茎を使う場合は、ローリエの香りを再現するのではなく、その野菜や香草の風味を加えるつもりで選びましょう。
例えば、野菜の風味を楽しむポトフやスープなら、セロリを使う献立に寄せる選択ができます。反対に、セロリの香りが苦手な人が食べる場合は、代用候補に入っていても見送る方がよいでしょう。葉が余っていることより、食べたい仕上がりを優先します。
使うのは食品として用意した材料です。洗って汚れや傷みを確認し、煮出した後に引き上げるつもりなら、鍋の中で見失いにくい形にしておきます。刻んで具として残す場合は食感も変わるため、香りを移して取り出す使い方と区別して選びましょう。
代用するときの使い方と避けたい選び方
候補が決まったら、投入する前に扱い方まで確認しておくと落ち着いて進められます。代用品を加えてから元の味へ戻そうとするより、どこまで香りを足すかを見ながら調整しましょう。
決まった換算量にせず、香りを見ながら加える
今回の候補は、どれもローリエと同量で換算するのではなく、少量から香りを確かめて使う考え方です。生の枝付きハーブ、乾燥した葉、粉末では形が違い、同じハーブでも商品の使用案内がある場合はそちらを優先します。
進め方は、まず料理の味と香りを確認し、加える材料を決め、その材料に合う加熱の使い方で試し、香りが目的に合うかを見る流れです。初めての組み合わせなら、別の小鍋へ料理を取り分けて試すと、鍋全体の仕上がりを決める前に判断できます。味見は食材に必要な加熱が済んでから行ってください。
香りが思った方向と違うと感じたら、別のハーブを重ねて帳尻を合わせようとせず、追加を止めましょう。取り出せる形なら引き上げ、料理の状態を確認します。「まだローリエに近くない」と感じて足し続けると、別の素材で同じ香りを目指すことになってしまいます。
また、香りの違いを塩味の不足と決めつけないことも大切です。塩やコンソメを足す前に、何が物足りないのかを分けて考えてみてください。香りを変える代用と、味付けを直す作業を分けると、必要のない調味料の追加を避けられます。
取り出し方と食用の表示を先に確かめる
枝や葉を煮出して使う場合は、いつ、どうやって引き上げるかも先に決めておきます。香りが付いたかを確認しながら使い、硬い部分を意図せず盛り付けないようにしましょう。粉末は葉や枝のように取り出せないため、同じつもりで扱わないことが大切です。
元のローリエについても、カネカサンスパイスは、長く煮込むと苦みが強くなるので調理後に取り出す必要があると説明しています。葉を鍋に入れれば後は気にしなくてよい、という使い方ではありません。料理の進み具合と香りを確かめる姿勢は、代用品を選ぶときにも役立ちます。
食用か分からない庭木の葉や、見た目が似た葉を探して入れる方法は選ばないでください。名前を確かめられないものを料理へ足す必要はありません。食品売り場で購入したハーブや、食材として用意した香味野菜から選びます。
塩や別の香辛料が混ざったシーズニングの場合は、単独のタイムやローズマリーとは条件が変わります。原材料を確認し、すでに入っている調味料との重なりを考えましょう。中身や使い方が確認できなければ、今回は加えずに仕上げる方へ切り替えられます。
手元の候補では合わないときの次の一手
香りの好みや手元の材料によっては、代用品を使わない方が目的に合うこともあります。作りたい料理を保つために、何を残し、何を変えてよいかを整理しましょう。
カレーやスープは、無理に別の香りを足さない
カレーやスープでローリエを香りづけとして使う予定なら、手元の候補が合わないときは省く選択もあります。元のレシピと同じ香りにはなりませんが、ローリエの代わりに苦手なハーブを加えるより、慣れた味付けの方向で仕上げるという考え方です。
まず、レシピの中でローリエが何のために登場しているかを確認します。香りを添える材料なら省略を検討できますが、ローリエの風味を楽しむこと自体が料理の狙いなら、本来の品を用意する方が目的に合います。料理名で決めつけず、作りたい味を基準にしてください。
例えば、いつものカレールウの風味を残したい場合は、タイムやローズマリーを新しく足さずに進める方法があります。一方、トマトと肉のハーブ煮込みとして仕上げたいなら、タイムを選ぶ余地があります。同じ「ローリエがない」場面でも、目指す料理が違えば答えが変わります。
省いた分を埋めようとして、塩や香辛料を増やす必要はありません。元のレシピに沿って調理し、加熱後の味を見て、必要な調整を考えましょう。「ない材料を全部何かに置き換える」と考えなくても、食べたい方向に合わせて選べます。
ローリエらしい香りが必要なら本来の品を用意する
ローリエの香りを大切にしたい料理や、元のレシピに近づけたいときは、別の材料を重ねるより、本来のローリエを用意する選択が向いています。買い足す前に、手元の「ローレル」「月桂樹の葉」の表示を確認してみましょう。呼び名が違っても同じ原料の品なら、別ハーブへ変える必要はありません。
商品名を見て判断しにくいときは、原材料欄や用途の案内を見ます。「ベイリーフ」と書かれた品も、使いたい料理に合うものか表示を確認してください。葉の大きさや写真の似かより、食品としての名称と使用方法を確かめることを優先します。
市販のブーケガルニも煮込み用の選択肢ですが、単独原料のローリエとは違い、複数の香草が組み合わされています。袋入りだから同じ香り、と考えず、含まれる材料とその料理への案内を確認して使いましょう。
今日の料理で間に合わないなら、今回は省いて仕上げ、次回のために補充しておく方法もあります。今ある候補で風味を変えるのか、欲しい香りを次の料理で試すのかを分ければ、慌てて用途の合わない材料を入れずに済みます。
まとめ|料理の香りを決めてから代用品を選ぼう

ローリエがないときは、まず同じ原料のローレルや月桂樹の葉がないか確認し、なければ料理に合う別の香りを選びます。トマト煮込みや肉・魚にはタイム、肉やじゃがいもの風味を変えたいならローズマリー、野菜の香りを添えるならセロリの葉やパセリの茎が候補です。
大切なのは、候補の数を増やすことではなく、食べたい仕上がりに合うかを確かめることです。別のハーブを使うなら少量から様子を見て、香りが合わなければ追加を止めます。食用の表示や取り出し方も確認しておきましょう。
ローリエらしい香りを残したいなら本来の品を用意し、今の味付けを変えたくないなら省略を選べます。手元の材料と料理の目的を照らし合わせて、無理のない方法で仕上げてくださいね。

