お菓子を作ろうとしたら粉ふるいが見当たらず、手が止まってしまったことはありませんか? 粉ふるいがなくても、家にある台所道具で代わりになるものはあります。
結論:粉ふるいの代わりには、目の細かいざるか茶こしを使うのが基本です。粉の量が多いときはざる、少量の粉や飾り用の粉砂糖・ココアには茶こしが使いやすいです。泡立て器やビニール袋でも粉のダマはほぐせますが、スポンジケーキのようにふんわり感が大事な焼き菓子には向きません。
手元の道具でどこまで代わりになるのか、使い方と避けたい条件を見ていきましょう。うまくふるえないときの進め方も紹介します。
粉ふるいの代わりは目の細かいざると茶こしが基本
レシピサイトNadiaの「粉のふるい方」では、粉ふるいがない場合は目の細かいザルで代用でき、少量の粉なら茶こしで代用できると紹介されています。辻調理師専門学校の製菓の基本技法「ふるう」でも、粉ふるいがない場合はザルで代用してもよいとされています。
どれを使えばよいか迷ったら、手元にある道具と、ふるいたい粉の量を見て、次の早見表から選んでみましょう。
| 代用品 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 目の細かいざる | まとまった量の粉をふるうとき | 粉を入れすぎない |
| 茶こし | 少量の粉、飾り用の粉砂糖・ココア | 山盛りにしない |
| 泡立て器 | ボウルの中で粉のダマをほぐしたいとき | ふんわり感が大事な焼き菓子には向かない |
| ビニール袋 | 袋の中で粉のダマを減らしたいとき | 繊細な焼き菓子には向かない |
代用品で補えること・補えないこと
代用品を選ぶ前に、粉をふるう目的を知っておくと判断しやすくなります。Nadiaでは、粉をふるう理由として、粉のダマを取り除くこと、粉に空気を含ませること、ゴミを取り除くことが挙げられています。代用品によって、このうちどこまで補えるかが変わります。
目の細かいざるは量の多い粉に向く
目の細かいざるは、粉ふるいに近い使い方ができる代用品です。網の上で粉を揺らして下へ落とすという動きが粉ふるいと同じなので、ダマを取る、空気を含ませる、異物を取り除くという目的をまとめて補いやすいからです。辻調理師専門学校の基本技法でも、小麦粉をふるうのはごみや異物を取り除くだけでなく、粉をほぐし粒子を均一にするためと説明されています。
手元のざるが茶こしより大きければ、クッキーやケーキの生地に使う薄力粉のように、ある程度まとまった量をふるう場面に向いています。お菓子の生地用に粉をまとめてふるうならざる、少しだけふるうなら茶こし、という選び分けが基本です。
ただし、網目の細かさはざるによって違います。Nadiaの説明でも「目の細かい」ザルとされているので、できるだけ網目の細かいものを選びましょう。手元のざるの網目が粗く見えるときは、ふるい終わった粉にダマが残っていないか、ボウルの中を一度確かめておくと安心です。
茶こしは少量の粉や飾り用のふりかけに向く
茶こしは、少量の粉をふるいたいときに使いやすい代用品です。Nadiaでも、少量の粉をふるう場合は茶こしで代用できると紹介されています。
また、辻調理師専門学校の基本技法では、粉砂糖やココアパウダーを飾り用としてふる場合、茶こしを使うとムラなくきれいにかかると説明されています。ケーキの表面に粉砂糖をかけるような、仕上げの場面でも出番がある道具です。
一方で、茶こしは小さいぶん、一度に入れられる粉の量にも限りがあります。お菓子の生地に使う薄力粉をまとめてふるいたいときは、ざるを使うか、茶こしで何回かに分けてふるうと進めやすくなります。茶こしに入れる量の目安は、後半の「避けたい条件」で詳しく紹介します。
泡立て器とビニール袋はダマをほぐす役割を補う
網状の道具が見当たらないときは、泡立て器やビニール袋でも粉のダマをほぐせます。調理器具店ハウジーの調理師による解説でも、どちらも粉ふるいがないときの代用アイデアとして紹介されています。
ただし、どちらも網で粉をこして落とす道具ではありません。ボウルや袋の中で粉を動かしてダマを減らす方法なので、ふるいのように高い位置から粉を落として空気を含ませる使い方とは異なります。ハウジーでも、泡立て器はスポンジケーキなどふんわり感が重要な焼き菓子に、ビニール袋は繊細な焼き菓子に向かないとされています。
粉のダマを減らすことが主な目的で、ふんわりした食感をそれほど求めない料理なら、泡立て器や袋でも足りる場合があります。作るものの仕上がりに合わせて選んでみてください。
なお、粉をふるうかどうかは、粉の種類に加えて作るものも確認しましょう。ハウジーではパン作りの粉はふるわなくてもよいと紹介されています。一方、辻調理師専門学校の製菓の基本技法では、強力粉だけを使う場合でもふるうよう案内されています。作るものによって説明が違うため、レシピに「ふるう」とあれば、その工程を優先するのがおすすめです。道具がないときも、ざるや茶こしでその工程を進められるか考えてみてください。
代用品ごとの使い方
どの代用品でも、ボウルなど粉を受ける器を用意して作業し、粉を一度にたくさん入れないことが共通のポイントです。道具ごとの手順を見ていきましょう。
ざる・茶こしは量を控えて軽く揺らす
ざるや茶こしを使うときは、粉ふるいと同じ要領でふるいます。手順は次のとおりです。
使う前に、ざる・茶こしと粉を受けるボウルに水気が残っていないか確認してください。ハウジーの手入れの解説では、水分や湿気が残ると、小麦粉が固まってふるいに付くと説明されています。洗ったばかりの道具はよく乾かしてから使いましょう。
- ボウルの上でざる(または茶こし)を持ち、粉を入れる
- 左右に揺らすようにして、粉が自然に落ちるようにする
- 少し高い位置からふるい、粉に空気を含ませる
辻調理師専門学校の基本技法では、粉ふるいを左右に揺らすようにして自然に落とす方法が紹介されています。Nadiaでも、少し高い位置からふるうと空気を含みやすくなるとされています。茶こしで粉砂糖などをふるときは、指先でトントンとたたきながらふっていく方法も紹介されています。
薄力粉にココアやベーキングパウダーなどを合わせるときは、あらかじめボウルの中でよく混ぜ合わせてから、まとめてふるいます。ハウジーでも、一緒にふるうと混ぜムラを防げると説明されています。
使い終わったら、洗う前に余分な粉をたたいて落としておきましょう。ハウジーによると、小麦粉は水を含むとドロドロした状態になり、網目の間に詰まって洗いにくくなります。また、熱が加わるとでんぷんがのり状になって取りにくくなるため、洗うときはお湯ではなく最後まで水を使うのがよいとされています。
泡立て器はボウルの中で数回混ぜる
泡立て器を使う場合は、粉をボウルに入れ、泡立て器でぐるぐると数回混ぜます。粉の中で針金を動かして、固まった部分をほぐすイメージです。
ハウジーによると、針金の本数が多い泡立て器ほど効果的で、混ぜても残る大きなダマは手で潰すとよいとされています。手元にある泡立て器の形を確認して、針金が少ないタイプなら少し丁寧に混ぜ、ダマの残りを目で確かめながら進めましょう。
混ぜ終えたら粉の状態を見て、固まりが残っていないか確かめましょう。泡立て器はダマをほぐすために選ぶ道具です。レシピで粉をふるうよう指定されている場合は、続けてざるや茶こしを使ってください。
ビニール袋は空気を入れて口を閉じて振る
ビニール袋を使う場合は、食品保存や下ごしらえに使える食品用ポリ袋を選んでください。袋メーカーの日本サニパックの調理保存袋の案内でも、食品保存袋を調理の過程に使える袋として紹介しています。手元の袋の用途表示を確認し、次の順番で進めましょう。
- 破れや水気のない、清潔な食品用ポリ袋に粉を入れる
- 袋の中に空気を含ませてから口を閉じる
- 袋を振って、中で粉同士をぶつける
ハウジーでは、袋の中で粉同士がぶつかることでダマが減ると説明されています。ボウルや網状の道具が手元になく、ダマを減らせれば十分な場面で取り入れやすい方法です。
袋を選ぶときは、食品を入れられることと、粉ふるいの代わりとして仕上がりに合うことを分けて考えるのがポイントです。食品用であっても、網で粉をこす道具になるわけではありません。袋でダマをほぐした後にふるう工程が必要かは、作るものとレシピに合わせて判断しましょう。
代用を避けたい条件と、難しいときの次の一手
代用品は便利ですが、作るものや粉の入れ方によっては思うように仕上がらないことがあります。次のような場面では、道具や進め方を切り替えましょう。
ふんわり感が大事な焼き菓子は泡立て器や袋で済ませない
スポンジケーキを作りたいのにざるや茶こしもない場合は、泡立て器や袋だけで同じ仕上がりを目指さず、道具を用意してから作ることも考えましょう。
ふんわり感が大事な焼き菓子では、泡立て器やビニール袋はダマをほぐす補助にとどめ、ふるう工程はざるか茶こしで行いましょう。
網状の道具が茶こししかない場合でも、粉を少しずつ入れて何回かに分けてふるえば、ふるう目的を保ったまま進められます。時間はかかりますが、仕上がりを優先したいときは無理のない方法です。
クッキーなど、レシピに「ふるう」工程があるお菓子でも、どこまでふんわり感を求めるかはレシピによって違います。迷ったときは、網状の道具でふるっておくと安心です。
一度に多くの粉を入れず、分けてふるう
代用品でうまくふるえないときは、粉を一度に入れすぎていないかを見直してみましょう。
辻調理師専門学校の基本技法では、茶こしで粉砂糖などをふるとき、山盛りになっていたり外側についたままだったりすると固まりになって落ちてしまうと説明されています。そのため、茶こしの7~8分目ぐらいにとどめ、ふちにのった粉は指先で落とすとされています。
また、ハウジーでは、一度にふるう粉の量は粉ふるいの体積に対して半分くらいまでにしておくよう説明されています。これは粉ふるいについての目安ですが、ざるで代用するときも、網の上で粉が動ける余裕を残しておくと作業しやすくなります。
粉が多いときは、一度に入れようとせず、何回かに分けてふるいましょう。こぼれた粉で周りが汚れるのも防ぎやすくなります。
ダマが残るときは手でほぐし、繰り返し作るなら粉ふるいを用意する
代用品でふるっても大きなダマが残るときは、先にほぐしてから網でふるうと進めやすくなります。ハウジーでも、泡立て器を使う方法の中で、混ぜても残る大きなダマは手で潰すと紹介されています。
たとえば、ボウルの中で泡立て器を使って粉をほぐし、残ったダマを手で潰してから、ざるや茶こしでふるう方法があります。ダマをほぐす工程と網でふるう工程を組み合わせることで、それぞれの道具の役割を補い合えます。
お菓子作りをこれからも続ける予定があるなら、粉ふるいを一つ用意しておくのも選択肢です。代用品は、手元にあるもので急場をしのぐ方法として考えておくと、作るものに合わせて迷わず道具を選べます。
まとめ

粉ふるいがないときは、目の細かいざるか茶こしで代用するのが基本です。量が多ければざる、少量の粉や飾り用の粉砂糖・ココアなら茶こしを選び、どちらも粉を入れすぎずに軽く揺らしてふるいましょう。
泡立て器やビニール袋は、粉のダマをほぐしたいときの代わりになります。ふんわり感が大事な焼き菓子では、網状の道具でふるう工程を残すと安心です。手元の道具と作るものを見比べて、無理のない方法から試してみてください。
