バターがないときは、炒めるなら加熱に使える食用油、パンに塗るならマーガリンなどが候補になります。ただし、お菓子やパンの生地では、同じ量を入れれば同じ仕上がりになるとは限りません。
まずは「焼く・炒めるための油」「仕上げの風味」「生地の材料」のどれを補いたいのかで選びましょう。牛乳や生クリームは、乳製品でもバターとそのまま同量で交換できる材料ではありません。
バターの代用品を用途別に選ぶ
| 使う場面 | 選び方 | 変わる点・注意 |
|---|---|---|
| 野菜などを炒める | 加熱調理に使える食用油 | バターの香りは付かない |
| トーストに塗る | マーガリン、好みのスプレッド | 塩味・甘味・原材料を確認する |
| クッキー・ケーキ | 製菓向けマーガリン、または油で作る別レシピ | 生地の作り方ごと確認する |
| ホームベーカリーのパン | 機種・メニューに対応するメーカーの置換案 | 焼き色や膨らみが変わることがある |
| ソースのコク付け | 牛乳・クリーム等を使うソースのレシピに変更 | バターと同量交換しない |
この表は候補の選び方です。どの食品にも共通する換算表ではないので、レシピ中のバターを一律に置き換える用途には使わないでください。
迷ったら、今作ろうとしている料理のどの工程にバターが出てくるかを見ます。炒め始めの油なら食用油を検討し、最後に香りを付ける材料なら別の味にしてよいかを考え、生地の材料なら対応する配合を先に選びます。代用品の名前だけで決めるより、変更する範囲が分かりやすくなります。
炒め物なら食用油、仕上げの風味は別に考える
フライパンで食材を炒めるためなら、普段その料理に使っている加熱用の食用油を候補にできます。オリーブ油など香りのある油を選ぶと、味の方向も変わります。
一方、じゃがいもに溶かしバターをからめる、バター醤油味に仕上げる、といった料理では、油に替えても乳由来の香りは再現できません。調理用の油脂は補えても、バター味まで補えるわけではないと考えましょう。
また、小麦粉とバターでルウを作るソースは、単に炒め油を替える場面とは異なります。牛乳を多く入れて帳尻を合わせるのではなく、手元の材料を使うソースの配合を選び直してください。
マーガリンは「塗る用」と「加熱・製菓用」を確認
冷蔵庫にマーガリンがあれば、まず容器の用途を見ます。パンに塗れる商品が、そのまま炒め物やお菓子にも向くとは限りません。
雪印メグミルクのFAQでは、ケーキ用マーガリンは製菓・製パンに使える一方、ネオソフト ハーフやネオソフト べに花は加熱に使わないよう案内されています。ソフト&バターは加熱時の油はねにも注意が必要です。
同じメーカーでも商品によって条件が違うため、「マーガリンなら何でも加熱可能」とは判断しないでください。商品名が似ていても、手元のパッケージの表示を優先します。
また、バターとマーガリンでは原料や風味が異なります。マーガリン類には油脂や水分の割合が異なる種類もあるので、やわらかさだけで製菓への適性を決めるのは避けましょう。
お菓子は製菓向け商品か、バター不使用のレシピへ
クッキー・ケーキの生地を混ぜる前に決める
お菓子作りでは、バターは風味だけでなく生地の性質にも関わります。やわらかくしたバターを砂糖と混ぜる作り方を、液体の油を入れる作り方へそのまま変更しないでください。
製菓に使えると明示されたマーガリンを選ぶ場合も、その商品の案内とレシピの条件を確認します。食塩不使用バターを使う配合なら、代用品の塩分にも注意が必要です。
準備する順番は、作りたいお菓子を決める、手元の商品がその用途に対応するか見る、残りの材料がそろうか確認する、の順です。製菓向けマーガリンで元の配合を使えるか確認する方法と、油を使う別のお菓子へ変更する方法は分けて考えましょう。
サラダ油を使うクッキーへ切り替える例
サラダ油しかないときは、油を使うお菓子のレシピに切り替える方法があります。例えば共立食品のアーモンドチョコチャンククッキーは、最初からサラダ油を使う配合です。別のクッキーのバターだけを油に替えるのではなく、材料と手順をまとめて採用しましょう。
この例には、サラダ油のほかに卵・砂糖・薄力粉・重曹・バニラオイル・チョコレート・アーモンドダイスも必要です。油と卵などを混ぜた生地に粉類やチョコレートを加え、天板に並べて焼くクッキーなので、元の型抜きクッキーを同じ形に仕上げるための交換案ではありません。材料とオーブンの準備ができるなら、作るお菓子ごと変更する候補になります。
牛乳・生クリーム・クリームチーズは同量交換しない
これらは乳製品でも、バターとは水分や脂肪分が異なります。「乳製品だから近い」と考えてバターと同じ重さを入れると、元の配合から外れてしまいます。
クリームチーズを使う焼き菓子や生クリーム入りのケーキを作りたいなら、それぞれを材料にしたレシピを探してください。混ぜ終えた生地に粉や牛乳を目分量で足し続けて調整する方法は、ここでは勧めません。
パンはホームベーカリーの説明書を優先する
PanasonicのホームベーカリーFAQには、バターをマーガリン・ショートニング・食用油へ同量で替える案内があります。ただし、油を使うと膨らみが悪くなる場合があり、焼き色も変化します。
これは同社のホームベーカリーについての案内です。すべてのパンやお菓子に共通する交換比率ではありません。使用機種とメニューの取扱説明書に対応する方法があるか確認し、特別な配合のパンへ自己判断で広げないようにしましょう。
材料をケースへ入れる前に、機種名と作るパンのメニューを確認し、その案内に挙がる油脂が手元にあるかを見ます。対応する説明が見つかればその条件に沿って進め、見つからなければ油を目分量で足すのではなく、材料がそろうメニューを選び直すかバターを用意します。パンに塗るための代用品の話とは別に扱ってください。
パンに塗るものは、好みの味への変更と考える
トーストなら、塗る用途のマーガリンのほか、ジャムやクリームチーズなど、手元にあるスプレッドを選ぶ方法もあります。これはバターの再現ではなく、別の味で食べる選択です。
マヨネーズを使う場合も同様で、酸味や塩味が加わります。マヨネーズは乳製品ではなく、卵などを使う調味料なので、「乳製品系の代用品」としてまとめないでください。
原材料・保存表示も確認して選ぶ
植物油が主原料のマーガリンでも、乳成分を含む商品があります。雪印メグミルクの商品別アレルゲン表示でも、乳成分や大豆を含む商品が確認できます。乳製品を避ける目的なら、名称ではなく手元の原材料・アレルゲン表示を確認してください。
開封後の保存は商品表示に従い、傷みやカビがあるものを代用しないことも大切です。
まとめ:バターの代用は用途で選ぶ

バターがないときは、料理なら油脂の役割を補う、お菓子なら対応する配合を選び直す、と分けると判断しやすくなります。

